近年日本でも増加傾向にある糖尿病。生活習慣病の1つとされ、「食事」「運動」「喫煙の有無」「ストレス」などの要因によってリスクが増加するといわれています。糖尿病は一度かかると治らないおそろしい病気で、厚生労働省からも糖尿病予防に関する注意喚起がうながされています。そんな糖尿病にはいくつか種類があり、生活習慣の悪化によって引き起こされる糖尿病のほかに「妊娠糖尿病」というものがあります。女性が妊娠した際、病院で「妊娠糖尿病にならないように」と注意を受けることがあります。妊娠糖尿病は母体だけでなく赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性のあるものなのです。今回はそんな妊娠糖尿病について説明したいと思います。

・妊娠糖尿病とはなにか
女性は妊娠すると体質が大きく変化します。それは1度や2度でなく、妊娠の初期、中期、後期という時期の違いによっても出てくる症状が変わることがあります。妊娠糖尿病とは、妊娠したことによって起こる「糖の代謝の異常」のことです。糖尿病とは区別され、実際の糖尿病よりも症状は軽度であるといわれます。妊娠すると血糖値が上がりやすくなり、またおなかの赤ちゃんの成長にもブドウ糖は欠かせないため、妊娠中は甘いものや炭水化物が食べたくなる人が多いです。しかし妊娠中はブドウ糖が分解しづらいため、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなってしまうのが妊娠糖尿病の原因になります。

・妊娠糖尿病を引き起こしやすいひと
妊娠糖尿病のリスクを上げてしまう要因がいくつかあります。それは「母体が太り気味や肥満である」「35歳以上の高齢での妊娠」「尿検査で尿糖が出やすい」「いままでに巨大児を出産した経験がある」「家族に糖尿病患者がいる」「妊娠をしてから急激に太った」などがあります。これらの項目に多く該当するひとは注意が必要です。

・妊娠糖尿病が起こす影響
妊娠糖尿病はかかっても気づきにくいといわれます。そのため定期的に行う妊婦検診によって血糖値の異常を指摘されて発症に気づく場合が多いです。妊娠糖尿病は生活習慣病とされる糖尿病とは異なりますが、母体や胎児に悪影響を及ぼすことがあります。たとえば「流産」「早産」のリスクを上げてしまったり、赤ちゃんの発育が悪くなったり巨大児になってしまうことがあります。またほかには「妊娠高血圧症候群」「難産」「羊水過多」「赤ちゃんの低血糖」などのリスクの可能性も考えられます。

・妊娠糖尿病かもしれないと思ったら
妊娠糖尿病はほかの病気と同じように早期発見、早期治療が重要になります。なにか気になることがあれば自己判断せずに、医療機関を受診するようにしましょう。妊娠初期はつわりなどによって食事がとれないことも多いです。その反動で妊娠中期や後期に入って食べ過ぎてしまうひとがいるので、注意が必要です。妊娠糖尿病の予防のためにも、普段からできる範囲で食事内容に気を配るようにしましょう。気にしすぎるとストレスのもとになってしまうので無理のない範囲で「バランスのとれた食事」「適度な運動」「体重の増減のチェック」をするようにしましょう。また、妊娠中はあまり過激な運動ができないため、食事内容に気を配るほうが効果的かもしれません。妊娠糖尿病にかかったお母さんは妊娠糖尿病にならなかった人と比べて、出産後に「糖尿病」にかかりやすくなるといわれます。そのため出産後も、家族だけでなく自分の体のためにも食生活を気を付けるようにすることが大切です。また、「日本糖尿病・妊娠学会」のHPによると、産後に母乳で育児をすると母子ともに糖尿病発症のリスクが軽減すると書かれています。無理のない範囲で母乳育児をするのもよいかもしれません。
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