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男性にも葉酸がおすすめの理由

葉酸は体に欠かせない栄養素で、とくに妊娠初期の女性にたくさん摂るようすすめられています。ですが葉酸を摂ることで男性にとっても嬉しい効果がたくさん得られるのをご存知でしょうか。葉酸は熱に弱く食事から摂りにくい栄養素ですが、いまはサプリメントなども多く販売されていて手ごろに取り入れられるようになりましたので、忙しい社会人の方にもおすすめです。今回は男性が葉酸を摂ることで得られるメリットについて説明したいと思います。

・葉酸ってどんな栄養素?

葉酸は別名「ビタミンB9」「ビタミンM」ともよばれる水溶性ビタミンです。1941年にほうれん草の葉から発見されたのが最初だといわれています。葉酸には細胞分裂を促したり造血を促す作用があり、とくに妊娠初期の女性にとって有用であるとされています。また、喫煙やアルコール摂取により吸収が阻害される可能性もあるので注意しましょう。

・葉酸が男性におすすめな理由

▼精子の染色体異常を減少させる

葉酸をたくさん摂っている男性とそうでない男性を比較した際、葉酸を摂っている男性は精子の染色体異常が少なかったとの報告があります。葉酸を摂って健康な精子が増えることで、受精の確立が高まり妊娠が継続されやすくなります。妊娠初期の女性だけでなく、妊娠を希望する男性も女性と一緒に葉酸を摂ることで着床をサポートする効果が得られます。妊活中の夫婦は二人

で葉酸を摂るようにするとよいでしょう。
▼育毛効果がある

葉酸は髪を構成するタンパク質をつくったり、栄養をスムーズに届ける働きがあります。男性に多い薄毛を予防し、髪の毛にハリやコシを与えて育毛をサポートします。また産後の女性の多くは抜け毛に悩まされるといいます。それはホルモンの変化によるものですが、葉酸を摂ることである程度の抜け毛の症状が治まる可能性があります。

▼うつ病予防に効果がある

葉酸は自律神経に関与しているため、しっかり葉酸を摂ることで精神状態が安定するそうです。また、うつ病患者を調査した結果、葉酸が不足している人が多かったとの報告があります。女性は出産後にマタニティーブルーになりやすいといいますので、その場合は夫婦で葉酸をとるのもいいかもしれません。

▼痛風になりにくくする

痛風は血液中の尿酸が著しく上昇することで関節炎を起こす疾患です。吹いた風が当たるだけで痛いといわれたことからこの名がつけられたとの説があります。痛風患者の9割以上が男性で、発症のリスク因子として「アルコール」「ストレス」「水分不足」などが挙げられます。葉酸には痛風の原因となる「尿酸」を抑える働きがあります。

・男性の1日の葉酸摂取量はどのくらいがいい?

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」によると、男性は葉酸を1日に240㎍摂取するよう推奨しています。葉酸は果物や緑黄色野菜に多く含まれています。とくに野菜では「ブロッコリー」「水菜」「芽キャベツ」などに多く含まれているので積極的に摂るようにしましょう。また、葉酸は熱に弱いので、なるべく加熱調理していないものを摂るようにしましょう。「いちご」「アボカド」「キウイ」などの果物はそのままでも食べられるのでおすすめです。

・葉酸の過剰摂取に注意

葉酸は体を構成するのに重要な栄養素ですが、過剰摂取することによって副作用がでることがあります。1日当たり約1000㎍を超えると過剰になってしまいます。過剰摂取によって引き起こされる症状としては「吐き気」「頭痛」「むくみ」「呼吸障害」「不眠」「食欲不振」などが挙げられます。葉酸は吸収率が低い栄養素なのでそこまで神経質になる必要はありませんが、サプリメントやレバーは過剰摂取しやすいので注意しましょう。

葉酸がなぜ前立腺がんを予防するのか

「葉酸」と聞くと、妊娠中に女性が飲むサプリメントを連想します。葉酸は細胞分裂をサポートし、赤ちゃんが健康に育つのを助ける効果があります。葉酸は妊娠中の女性だけが必要な栄養素と思われがちですが、じつは私たちの体にはなくてはならない栄養素なんです。葉酸には育毛効果があったり、自律神経を整えたり、造血作用もあります。またそのほかにも便秘の改善や肌荒れの改善もサポートしてくれます。しかも男性特有の前立腺がんの予防にも効果があるといわれているのです。今回は葉酸を摂取することで前立腺がんを予防する理由について説明したいと思います。

・そもそも前立腺がんとは何か

前立腺がんとは、前立腺に発生する病気の1つです。前立腺は骨盤の一部である恥骨の裏側にある男性特有の臓器で、精液の一部をつくっています。前立腺がんは初期はほとんど症状が出ないといわれています。がんが進行すると「尿が出にくい」「残尿感がある」などの排尿に関する症状や血尿が見られます。以前は前立腺がんによる死亡者はかなり少なかったのですが、その後どんどん増え続けています。前立腺がんは50代以降に発症するケースが多く、また進行が割と遅いため、治癒率や予後もほかのがんと比較するとよい部類だといわれます。

・葉酸と前立腺がんの関係

葉酸と前立腺がんにはいったいどのような関係があるのでしょうか。デンマークの研究チームによって行われた調査によると葉酸サプリメントを摂取した人のグループはそうでないグループと比較して前立腺がんの発症率が低下したとのこと。まだ詳しい理由はわかっていないそうですが、今後この研究の結果が前立腺がんの治療の橋掛けになると期待されます。しかし葉酸は摂ればとるほど健康状態がよくなるわけではありません。葉酸の摂りすぎがかえって前立腺がんのリスクを上げたり、ほかの病気を引き起こす原因になる可能性もあります。過剰摂取せず、適正な量を摂るようにしましょう。

・葉酸はその他のがんの発症リスクも下げる

葉酸を摂取することにより、発症のリスクを下げるがんがいくつか報告されています。その1つが「大腸がん」です。愛知県がんセンター研究所 松尾恵太郎先生によると葉酸を摂ることで細胞の遺伝子を修復し、ポリープやがんの発生を抑えるとのこと。大腸がんもまた前立腺がんと同じように、近年日本人で急増しているがんです。また大腸がんのほかにも「すい臓がん」発症のリスクも減少するとの報告があります。すい臓がんは症状が出にくく、発見されたときには生存率がきわめて低いといわれる恐ろしいがんです。すい臓がんのリスクを上げる要因として「たばこ」「糖尿病」「肉中心の食事」が挙げられます。すい臓がんの予防のためにはこれらのリスク要因をなるべく減らし、適度に葉酸を摂ることが大切です。

・前立腺がんの予防はバランスの良い食事から

前立腺がんはもともと欧米に多い病気です。そして近年前立腺がんが日本で急増している背景には、日本人の食の欧米化が関係しているのではないかと考えられています。「乳製品」や「カルシウム」の摂りすぎも前立腺がんのリスクを高める可能性があります。偏った食生活を正し、バランスの取れた食事から適度に葉酸を摂るのがおすすめです。葉酸は加熱や水分に弱いため、生の状態で摂るのがよいでしょう。「えだまめ」「ほうれん草」「ブロッコリー」「アスパラ」「芽キャベツ」「水菜」といった野菜や「いちご」「グレープフルーツ」「アボカド」といった果物には豊富に葉酸が含まれています。食事のほかには適度に運動をすることも発症リスクを下げるとの報告があります。また、前立腺がんは早期では自覚症状がないことが多いため、中年以降は定期的に検査をすることをおすすめします。